今から10年ほど前、
ひょんなことがきっかけで購入した思い出深い靴。
その靴底が割れてしまった。
他にもあちこちすり減ってぼろぼろの状態。
しばらく放置していたのだが、
いろいろ想いがあって捨てるに捨てられない。
そこで思いついたのが修理である。
しかし、調べれば調べるほど、
カンペールの靴というのは、
設計が独特なので直すのが難しいらしい。
困った私はあちこち店を探すことになる。
A店(自宅最寄駅)
直接持ち込み。
靴底を見て、
けんもほろろに修理不可と即答される。
B店(神奈川)
メールで数回やり取り。
値段と納期が折り合わず断念。
C店(大阪)
メールで数回やり取り。
写真を送ると値段はまあまあなものの、
仕上がりになんとなく不安が残る。
ブログも自慢気味だし。
それと宅配便で送るとなると送料も気になる。
こういうよくない予感は当たるのでやめる。
D店(吉祥寺)
こちらもメールでやり取り。
細かいことを詳しく聞いても、
納得のいく答えを提示してくれた。
サイトやお店のセンスもいい。
ブログの文章には、
スタッフのこだわりと遊び心が見え隠れしている。
そしてなにより、
オーダーメイドの靴を作っていることもあり、
技術がしっかりしてると思った。
値段、納期も納得。
というわけで、
実際に会って話を聞くべく、
D店に足を運んでみることにした。
結果から言おう。
素晴らしかった。
30分ほどお話させてもらうなかで、
修理の方法や、メリット、デメリット、
料金のことなどを、明快に教えてくれた。
靴に対する愛情を存分に感じたし、
この人にならお任せしてみたいと思った。
靴底だけではなく、
ぼろぼろのあちこちもお願いすることにしたので、
結果としてかなりお高くなってしまったのだが、
逆にどのように仕上がるのか楽しみになってきた。
こちらのお店には、
他店で断られた靴の修理依頼がたくさん届くらしい。
職人ってこういう人のことを言うのだな。
納品は1か月後。
わくわくしている。